▇シャボン玉液の作り方

□シャボン玉液の主な材料

 シャボン玉で一番大切なのはシャボン液です。
 市販のシャボン液を使うのも良いと思います。市販品は良い性能を発揮してくれます。しかし大きなシャボン玉を飛ばしたり、無数のシャボン玉を飛ばすには大量のシャボン液が必要になります。市販のシャボン液は大量に使うにはコストが高すぎます。シャボン液は自作する事でコストを1/10以下に抑える事が出来ます。また自作する事で様々な工夫をこらして自分が行いたいパフォーマンスにピッタリのシャボン液を追求する事も出来ます。
 普通よりも大きいシャボン玉を作るだけなら他のサイトでよく見る洗濯糊を混ぜるだけの簡単な方法で充分です。
 しかしそれ以上に素晴らしい感動的なシャボン玉を作るには、もっと難易度の高い材料を使う作り方が必要になります。このサイトではそのどちらも説明していきます。
 質の良いシャボン液が作成できれば、人間を超える大きさのシャボン玉などの見る人を感動させる素晴らしいシャボン玉を作る事ができますよ!

 主な材料は3つ!

 シャボン液を作るには主に3つの材料が必要です。
  ①水
  ②食器用洗剤
  ③ポリマー
 
※注意:各項目に使用量を示していますが大まかな目安です。
 シャボン液のレシピは使用目的や好みなどによって様々な物が存在します。また世界クラスのシャボン玉を作る人達は材料の混合比率を気象条件などによって変えたりもしているのだとか。私にはそこまでの深い知識はないので、大体の分量で書かせて貰っています。詳しい説明ができる方、是非ご意見下さい。

 ①水

 まず水が無いとシャボン玉は作れません。水は日常生活で使える水であれば何でも良いと思います。
 石鹸を溶かしてシャボン玉を作っていた時代には、使う水の種類でシャボン玉の性能に大きな差がでていたため、蒸留水や雨水などが人気だったようです。しかし食器用洗剤を使えるようになった現代では水の種類は重要では無くなりました。
 しかし当然ながら水だけではシャボン玉は作れませんので、次の材料が必要になります。
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<コメント>
 何でも好きな水を使って良いと思います。こだわりたければ蒸留水を使っても良いと思います。ただしその場合は性能には大きな差を感じないにも関わらずコスト面で大変な問題を抱える事になると思います。私は水道水を使っています。水道水はどこでも割と簡単に入手できる上にコスト面で非常に優秀……というかほぼ無料です。

 先日、試しに腐ってしまって粘性の無くなったポリマー溶液を水の代わりに使ってみましたが問題無く「水」として利用できました……

 1つだけ注意!色がついた水を使うのだけは止めた方が良いと思います!なぜならシャボン液は必ず周囲の環境を汚します。地面や観客の服には必ずつきますし、場所によっては建物/車/洗濯物などにぶつかる可能性もあります。服/家/車/洗濯物に色がついたらとても迷惑です。「2度とシャボン玉をやらないで下さい」と言われかねませんし、それが大きな問題になればシャボン玉をやっている人全体の評判を落として迷惑をかける事にもなります。皆を喜ばせるためにシャボン玉をやっているのに、それが皆の迷惑になり、自分の首を絞める事になっては関係者全員が不幸になるのでやる意味がありません。是非ご注意下さい。

 ②食器用洗剤(界面活性剤

・キュキュット/Majika/(Dawn)

使用量の目安
 溶液の約1/10前後

 

 ただの水をシャボン液に変える材料です。
水は1ヶ所に集まろうとする力(表面張力)が強く、球状になろうとします(ガラス板などの上に落ちた水滴が半球状になるのはこのためです)。そのため水だけでは、膜状に広げて空気を包みこんだ玉(シャボン玉)を作る事は不可能です。しかし、水に食器用洗剤(界面活性剤)を混ぜると1ヶ所に集まろうとする力(表面張力)が弱くなり、膜状に広げる事が出来るようになります。この膜で空気を包んだものがシャボン玉です。
 ただし食器用洗剤なら何でも良い訳ではないようです。良く「界面活性剤の濃度が高いものが良い」と言われていますが、重要なのは界面活性剤の濃度だけではなく、成分の様子。日本で定評があるのは……
キュキュット」……香りの種類が豊富
Magica」…………発色が良いと言われています

海外では……
「Dawn」…………Dawnを使う場合はpH調整剤が必要になります

 水と食器用洗剤だけでも一応シャボン玉は出来ます。皆さんも食器洗い中に小さなシャボン玉が飛んだ経験がある筈です。ただし水と食器用洗剤だけでは人々を感動させるようなシャボン玉は出来ません。そこで必要になるのが次の材料です。
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<管理人コメント>
 食器を綺麗にするだけでなく、水を綺麗なシャボン玉に変える事も出来る素晴らしい商品です。大量に使用するので台所で使う小さいヤツでは無く、お徳用の特大商品を探し回ることになります。先日amazonのブラックフライデーで「キュキュット 4.5L 業務用」を発見して購入し、思わずガッツポーズしました。これで暫く洗剤を買いに行く必要が無くなります。キュキュットで作ったシャボン玉は近所の子供達に人気です。「このシャボン玉いい香りがする~」と喜んでくれます。「今日はどの香りにする?」と子供達と選ぶのも楽しいです。


③ポリマー

 水に食器用洗剤を混ぜただけのシャボン液では膜を維持する力が弱く、大きなシャボン玉を作る事は出来ません。そこでシャボン玉をやっている方々は、膜を維持する力を強くするために他にも材料を使っています。この材料をポリマーと呼びます。ポリマーには水溶性食物繊維/増粘剤/潤滑剤などが使われています。
 ここではポリマーを水に溶かした液体をポリマー溶液と表現します。


<ポリマーの種類>

◆初心者向け、入手作成が簡単

・洗濯糊/ポリビニルアルコール(PVA)

使用量の目安
 水:洗濯のり:食器用洗剤=8:1:1

 いわゆる洗濯糊です。「割れにくいシャボン玉」などで検索すると材料としてよく出てきます。
 良いポリマーだと思います。入手が簡単でシャボン液の作成も簡単、にも関わらず大きなシャボン玉が出来ます。しかしある程度以上のシャボン玉を作るには役不足です。様々な意味で初級者向けだと思います。
 混合比率についてはあくまで目安です。洗濯糊を濃くしてもシャボン玉は作れます。実際、ほとんど水を使わずに洗濯糊/ショ糖/食器用洗剤のみで非常に割れにくい、地面に落ちても割れないシャボン玉を作った研究論文も存在します。
 ちなみに、海外では入手が難しく、日本独特のポリマーなのだそうです。

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<管理人コメント>
 私も最初はこれで大きなシャボン玉を作って近所の人達と一緒に感動しました。
 他のポリマーでも同じですが、日持ちはしないと思います。
 私は初めて出かけ先でシャボン玉をやろうとした時、洗濯糊で作って何日も経ったシャボン液を張り切って持って行き、現地でいざ飛ばそうとしたら、ひとつも飛ばず、(心で)泣きながら帰った苦い思い出があります。しかしこの苦い経験が「もっとシャボン液に詳しくならなくては」という思いを強くしてくれました。
 洗濯糊の比率を増やしてシャボン玉を作った事もありますが、子供達から「このシャボン玉、ベトベトする」と言われました。洗濯糊を増やせばシャボン玉が固くなり割れにくくなると思いますが、その分ベトつきも強くなり、観客の手や服も汚れやすくなりますし、環境への影響も大きくなります。

・ガムシロップ/砂糖

●水:食器用洗剤:ガムシロップ = 20:1:1~5
 水 1000ml

 食器用洗剤 50ml
 ガムシロップ  50~250ml


●市販のシャボン液を使ったレシピ
 市販品のシャボン玉液 100cc
 ガムシロップ 25cc

 これも「割れにくいシャボン玉」などで検索すると材料としてよく出てきます。ガムシロップとは、水と砂糖とアラビアガム(水溶性食物繊維/増粘剤)を煮て作った液体です。アラビアガムがポリマーとして働き、砂糖の保湿効果も相まってシャボン液にいい作用をもたらすと考えられます。シャボン液に混ぜるガムシロップの比率は人それぞれのようですが……
 これについては私はなんとも言えません。水/食器用洗剤/ガムシロップで作ったシャボン液は上手くいきませんでした。試しにアラビアガム単体で購入してシャボン液を作ってみましたが、これも上手くいきませんでした。アラビアガムの濃度が薄かったのかも知れません。水/食器用洗剤/砂糖だけで作ったシャボン液も上手くいきませんでした。他のポリマーにガムシロップを混ぜて使った時は悪くない感触でしたが……。そのため現状では私はガムシロップや砂糖を使用していません。
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<コメント>
 余談ですが、アラビアガムを使わずにショ糖2000g/水1000mlの液を作ったところ、容器のペットボトルの底に綺麗に結晶化しました。まるで水晶みたいでこれはこれで綺麗です☆シャボン玉関係ないですけど(笑)

◆中級者以上向け、作成が難しい

 

 ・ポリアクリル酸ナトリウム

   使用量の目安
    
0.65g/水1L
    0.65ml/水1L
    寒い時期は0.54g/水1Lに減量

ポリアクリル酸ナトリウム粉末の商品紹介


 いわゆるローションです。良いポリマーです。通販サイトで買うのが一番簡単です。洗濯糊(液体)と違って粉末なので、まず水に溶かす必要がありますが、その時にコツが必要です。しかしこれ以降に紹介するポリマー達と比べると比較的簡単です。これ以降に紹介するポリマー達は溶液の作成にも濃度にも気を使うものばかりですが、それらに比べると作成難易度は低めです。濃度の違いによる性能の差もあまりないように感じます。日本では趣味でシャボン玉をやっておられる方々の多くがこれを使っているようです。洗濯糊の次のステップとしてお勧めです。他のポリマー溶液は腐りやすいですが、化学合成品であるせいかポリアクリル酸ナトリウムのポリマー溶液は腐りにくいです。
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<コメント>
 「ローションって何?」と聞かれたら「お笑い芸人がよく使っているヌルヌル滑る液体」と答えましょう。
 あえて難点を上げるとしたら「よく滑る」というところでしょうか。ローションなので当たり前ですが(笑)。私は大きな公園でシャボン玉をやって公園に遊びに来ていた子供達と一緒にシャボン玉を飛ばしていた時、子供の1人がお笑い芸人のように滑って転んで肝を冷やした経験があります。その子の服もヌルヌルになってしまい、お父さんに平謝りしました。快く許して頂けましたが……怪我が無くて本当に良かったです。
 ちなみに、これも海外では入手が難しく、日本独特のポリマーなのだそうです。
  
 

 天然成分由来の水溶性食物繊維/増粘剤。食品添加物としてよく使用されています。
 「世界クラスのシャボン玉が作れる」のだそうです。しかし前述のポリマーと比較してシャボン液の作成、濃度の調整は難しいです。特徴としては他のポリマー溶液と違い、シャボン玉に使う濃度ではかなりサラサラしていてヌルヌルはしません。また天然成分由来の食品添加物なだけあって、作ったポリマー溶液は日持ちしません。腐ってしまったポリマー溶液はシャボン液を作成する時の水として再利用しました。
 これは海外でも良く使われているポリマーです。

ポリエチレンオキシド(PEO)

 使用量の目安(J-LUBEの場合)
  0.36g~1.16g/水1L
  0.35ml~1.25ml/水1L


 潤滑剤の一種らしいです。家畜に使うとかなんとか……
 これもグアーガムと同様に海外で良く使われているポリマーです。「世界クラスのシャボン玉が作れる」優秀なポリマーです。これもグアーガム同様、ポリマー溶液の作成が難しいですが、後述のホットミックス法を使う事ができるのでその分扱いやすいかもしれません。特徴としてはかなり糸をひきます。濃いめに作るとまるで納豆のように長くてしつこい糸をひきます。これも化学合成品なので比較的腐りにくいと思います。
 PEOはごく微量で強力な性能を発揮し、他のポリマーに比べ圧縮率が非常に高い濃縮液を作ることができます。PEOを使った世界的に有名なポリマー溶液に”BLM(ブライアン・ルーブ・ミックス)”があります。BLMについては”▇シャボン玉液の様々なレシピ“のページで解説します。

商品例:marugo(マルゴ)「J-Lube OB Lubric.Pwd 10Oz 潤滑剤 (1pc)」

<管理人コメント>
ポリマーを使った力強いシャボン液を作れるようになると様々なパフォーマンスが出来るようになります。心躍るような人間よりも大きなサイズのシャボン玉、誰もが驚愕する特大サイズのシャボン玉は一見の価値ありです。空を埋め尽くし幻想的な空間を作り出す圧倒的な数のシャボン玉、シャボン玉の中にシャボン玉を入れるバブルinバブル、シャボン玉に人間を入れるetc…。工夫次第で色んな事が出来る、夢が広がる素材です。

 私が使っているシャボン液の基本的な材料は以上の3つ(水/食器用洗剤/ポリマー)ですが、本職のシャボン玉師さん達はもっと他の材料を使っておられると思います。なにせ彼らが作るシャボン玉は私が作るシャボン玉とは違い全然割れません……何故に?。あるいは作り方に秘密があるのかも知れませんが……。
 しかし上記3つの材料だけでも、趣味でシャボン玉を楽しむ分には充分な大きさのシャボン玉を作る事ができます。

・タラガム/フェヌグリークガム

※以下はuroshi_pondさんの報告による情報です。
グアーガムと同じ天然成分由来の水溶性食物繊維/スパイス。
タラガムは無臭。
フェヌクリークガムはスパイスの一種でカレーのような匂いがするそうです。
uroshi_pondさんは「特定のレシピで調合するとガーランドワンドで使用したときに素晴らしい能力を発揮します。」と報告されています。

<管理人コメント>
私自身は試した事がありません。高価です。1kgで1万5千円強します。
(^_^;)初級者としてはちょっと手が出しにくいです

◆その他、試してみたポリマー

 シャボン液を試行錯誤していく中で興味がわいて試してみたものがいくつかあるので紹介します。

・山芋

 良いポリマーになります!皮を剥いてミキサーで液状になるまで砕いて、水を足して少し糸引く程度になるまで薄めて使います。大きくて丈夫なとても良いシャボン玉が出来ました。

<管理人コメント>
 皮を剥いてミキサーで砕くととろろ汁になります。美味しそうです。卵の黄身と出汁醤油が欲しくなりますが我慢(笑)。とろろ汁の状態では粘り気が強すぎて使えないので水で薄めました。白いポリマー溶液になるので食器用洗剤を入れてシャボン液の完成です。心なしかシャボン玉も少し白い様な気がします。シャボン液には砕ききれなかった極小の白い粒が粉のように混ざっています。極小の白い粒もシャボン玉に混ざって飛んでいきますが問題ないようでした。シャボン玉が割れた時に白い粒も粉のように舞い散りますが、色が白くて綺麗なせいかほとんど気になりませんでした。匂いが気になったりもしませんでした。山芋はね……

・納豆

 良いポリマーにはなりますよ……。山芋と同じようにミキサーで液状になるまで砕いて適度に薄めて使いました。大きくて丈夫なシャボン玉は出来ます……。

<管理人コメント>
 山芋は良いポリマーでした……問題はコイツです。まずシャボン液の色が黄土色です。出来たシャボン玉のいろもうっすら黄土色。心なしかシャボン玉の表面がスリガラス状にザラザラしているように見えます……汚い(笑)。あからさまに色がついているのでそれだけで周囲に迷惑。それだけではありません。臭いです。何倍にも薄めて食器用洗剤も足しているのに、あからさまに納豆の匂いがします。納豆の匂いって凄いんですね……。私は納豆好きですが、観客に納豆嫌いな人がいたら地獄でしょうね。納豆食べる時に辛子を入れたら匂いが気にならなくなったりしますが、納豆シャボン液も辛子を入れたら匂いが弱くなったりするんでしょうか……。
 人に依頼されたりしない限り、2度とやる事はないと思います。

 ……と思っていたら依頼されてしまいました(笑)。うちの子供会でシャボン玉を頼まれた時に、会長から「あの納豆のヤツ、面白かったから是非やって欲しい!」と言われました。自分の価値観だけじゃ分からない事多いですよね。自分では迷惑なだけだと思っていましたが、面白いと思う人もいるんですね。良い勉強になりました!
 ……が、やはり依頼されない限り、自分からやる事はないと思います(笑)。

・昆布

 これも良いポリマーでした。使ったのはがごめ昆布「」という商品。「お湯に混ぜるだけでがごめ汁が出来る!」という商品で、昆布が千切り状に切ってあります。ペットボトルにこの昆布を詰め込んで水を入れて、一晩経ったら立派なヌルヌルのポリマー溶液になります。昆布が入ると邪魔なので上澄みだけを使います。

<管理人コメント>
 だし汁です(笑)。飲んだら美味しいと思います(笑)。わずかに黄色がかっていましたがほとんど無色透明。匂いも気になりませんでした。
 作成方法も水と混ぜるだけなので簡単、すり下ろす手間もかかりません。ほぼ無味無臭ですので、わずかに白い山芋や茶色くて臭い論外の納豆よりも昆布の方がポリマーには適していると思います。にもかかわらず紹介が最後になったのは、最初に紹介しても良さが伝わりにくいのと、前述の2つに比べると良くも悪くもインパクトが無かったためです(笑)。しかしそのインパクトの無さがシャボン液には適していました。

・米/餅米/片栗粉

 使えませんでした。どれも主成分はデンプンです。片栗粉は水で溶いて火を通して糊状に、米/餅米は炊いてから水と一緒にミキサーしました。

<管理人コメント>
 片栗粉は中華料理の餡です。米/餅米は炊飯器から失敬しました(笑)。やはり水溶性食物繊維でないとダメなのでしょうね。

 現状では無害なシャボン液が一番ですが、いつか無害でキラキラの感動的なシャボン玉ができる素材が見つかるといいなぁと思っています。

○子供達と現地でのシャボン液作成

 私は現地でシャボン液の最後の仕上げを行っています。すると子供達が集まって来て必ず
「私もやりたい!」「やっていい?」「私も!」「次は私!」となります。
シャボン液の材料を測定したり、液を注いだり、混ぜたり……。子供達にとってはそれすらも楽しい遊びになるのです。これを子供達にやらせないなんて勿体ない!是非子供達にやらせてあげてシャボン液の準備段階から楽しませてあげて下さい。ただし、黙って見ていると必ずケンカになります(笑)。なので「半分こ」「順番こ」を上手く利用して皆が笑顔で楽しめるようにアドバイスしてあげましょう。たったそれだけで子供達は皆仲良く楽しんで可愛い笑顔を見せてくれます。
 

 ●シャボン液の作成方法と注意点

 基本的な作り方は水にポリマーを混ぜてポリマー溶液を作り、それに食器用洗剤を混ぜる。簡単に言えばそれだけです。ただし、洗濯糊やガムシロップなら適当に混ぜるだけで済みますが、ポリアクリル酸ナトリウム/グアーガム/ポリエチレンオキシドなどではその混ぜるだけの作業に結構な手間がかかります。これらのポリマーは粉を水に溶かして作ります。しかしポリマーにはいずれも増粘作用があります。増粘作用とは水をドロドロにする作用、言い換えれば水の固さを増す作用とも言えます。そんな粉を塊で水に放り込むとどうなるか……。粉の塊に水がくっつくと局所的に大量の粉に水が少量だけ混ざった濃ゆ~いポリマー溶液が出来ます。濃ゆ~いポリマー溶液はドロドロを超えて固い粘度のようになり、固くなりすぎてそれ以上水に溶けなくなってしまうのです。この硬い粘土のようになった状態を「ダマになる」と言います。ポリマーがダマになってしまうと水に溶けないので当然ポリマー溶液などできません。結果シャボン液もできません。そのため、ポリマーの粉を水に溶かす時には特別な方法が必要になります。その方法の1つが「スラリー法」です。
 

 ○スラリー法

 ポリマーの粉をそのまま水に混ぜようとするとダマになって溶けなくなってしまうので、水に溶かす前にまず少量のアルコールやグリセリンに溶かします。ポリマーの粉は水では固まりますが、アルコールやグリセリンでは固まらずドロドロの溶液になります。ドロドロの溶液になったものを「スラリー」と言います。このスラリーになったポリマーを、ダマにならないように水をかき混ぜながら少しずつ溶かし込んでいく、これがスラリー法です。
 スラリー法を使うとポリマーがダマになる確率が格段に下がります。こうして出来たポリマー溶液に食器用洗剤をよく混ぜることでやっと上質のシャボン液が出来上がります。
 このスラリー法、実はポリアクリル酸ナトリウムではあまり必要ありません。ポリアクリル酸ナトリウムの場合はそこまでしなくても粉を高い位置から少しずつ振り入れながら混ぜることで充分使えるポリマー溶液ができてしまいます。ダマができると言えばできるのですが、それ以上に充分量のポリマー溶液ができてしまうのであまり問題になりません。このあたりが私が「ポリアクリル酸ナトリウムは比較的簡単にポリマー溶液が作れます」とした理由です。
 また、作成したシャボン液は1~6時間程置いておくと性能が高くなるようです。多くの方は使う前日にシャボン液を作成し、一晩置いて翌日使用しているようです。
 

 

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